風心会
  
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十牛図解説


はじめに
 〜禅について
  「出来るが故にわからなくなる」
「見えるが故に見えなくなる」

 人が自然を科学的に理解すればするほど、つまり知識や技術が増せば増すほど自らの居場所である地球を破壊していく現実において、このことは顕著に示されています。
 しかし、古の教えの中には、人が溺れてしまいやすいこの資質をどう扱いどう進めばよいのかという指標を残していてくれるものもあります。
 そこで、禅で用いる十牛図において、修行の過程で得られる悟性をどのように認識し、扱っているのかを考えようと思うのです。

 禅とは、仏教の宗派のひとつで、いわゆる瞑想(座禅)を中心にした修行体系をもつことが最大の特徴とされます。端的にその特徴を言えば、文章や教典という形によらず、直接人の心を扱い、自らの仏性に出会い、その一致によって輪廻の輪から離れることにあると言えます。
 特に重視されるのは、座禅、作務(労働)、布施(施し)の3つの行です。そして、その修行においては「己事究明」、つまり、己のことを明らかにすることがさしあたってのテーマとなります。例えば、「父母から生まれる前に自分とは何か考えよ」ということで、本来の自分を探っていくことを通じて、自分の人生における主人公は誰なのかを明らかにし、自己探求をしていくのです。

 十牛図は、牧童に譬えられた自分という意識が、牛に譬えられた本来の自分を見つけ、活かしていくのかを十段階に分けて比喩的に示したものです。

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